あなたと話をするのが大好きだった。――父へ。夫へ。私の思いをここに綴ります。

「父は、いまも私達を見守ってくれている」――父が遺した深い愛情は、いつも母と子の心を満たし明るい日々へと先導し続ける。

心の中に在り続ける、昔のままの父の笑顔――褪せることのない面影と思い出に支えられ、母と子は前を向き力強く生きていく。

毎日見る母の背中と、時々思い出す父の姿が私に力を与えてくれる。父は、私の心の中で生きている。

頑張れ――いそがず、あわてず、ゆっくりと素敵な人になりなさい。
……海を見ていると父がいつもそう励ましてくれる……。

ぼくは海を見ているとお父さんにあえるような気がします……。

「デパートなら何でも売ってるから、もしかしてお父ちゃん売ってるかもしれない……」

あとを絶たぬ海難事故、殊に漁船の海難によって一家の大黒柱を突然亡くした家族は、その日から大変な苦労が待っている。